婦人之友 十三浜わかめクラブ通信(2015年3月13日) | 婦人之友社 さあ、生活を発見しよう

婦人之友 十三浜わかめクラブ通信(2015年3月13日)

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漁船を出して、わかめを刈り取る漁師さん。11月に種付けしたわかめは3ヶ月で2メートル以上に生長します。

 

 

まだまだ復興の道半ばです
東日本大震災から4年が経つ今もまだ、多くの方々が仮設住宅での厳しい生活を強いられています。平坦地の少ない三陸沿岸では、集落単位で高台に移転するのも、山の立木の伐採からはじめなければならず、宅地造成工事がはじまったばかりの地区も少なくありません。地域の暮らしをを支える漁業の復興も道半ばです。

 

巨大津波に襲われた、石巻市十三浜
婦人之友社では、2011年3月、東日本大震災で18メートルを超える巨大津波に襲われた宮城県石巻市北上町十三浜地区を記者が訪ねて以来、同地区の方々への支援活動と交友を深め、海の仕事や浜の暮らしについて教わって来ました。
十三浜は、三陸リアス式海岸沿いに十三の集落が点在する、わかめや昆布の養殖・塩蔵加工を中心とした沿岸漁業をなりわいとする地域です。波の荒い外洋に面している上、北上川河口に近く、わかめの養分となる川水が注ぎ込むことから、肉厚でやわらかい質の良いわかめや昆布が育ちます。
漁師さんたちは津波で仲間を失い、家も漁船も流されながら、「わかめの生産から漁業を再開しよう」と立ち上がり、地域や暮らしの復興に取り組んでいます。

 

わかめの購入を通して、浜と食卓をつなぎます
私たちの食卓に欠かせないわかめや昆布は、自然の脅威と隣り合わせの海に生きる、漁師さんとその家族の労働によって生産されていることを、今回の津波を通して実感しました。食べる側の私たちも、自然のリスクを分かち合い、浜の復興に役立つことはできないだろうかと考えた婦人之友では、わかめの購入を通して被災した浜とまちの食卓をつなぐ、「婦人之友 十三浜わかめクラブ」をつくりました。
市場に左右されない浜の希望につながる価格で購入することで、十三浜の漁業の復興を支援すると共に、海の仕事や浜の暮らしへの理解を深めることが、十三浜わかめクラブの目的です。食べ物を介してつくる人と食べる人がつながり、支え合いたいと思います。

 

今年も、わかめの刈り取り最盛期を迎えました。早朝から漁船を出してわかめを刈り取り、浜ではボイル、塩蔵作業が行われます。5月までは、十三浜がもっとも忙しい日々。わかめの収穫が終わると、次は昆布の収穫がはじまります。

 

詳しくは婦人之友4月号の「十三浜わかめクラブ通信」をご覧ください。

 

 

 

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わかめの刈り取りは早朝からはじまります。まだほの暗い中を 漁船が出て行きます。(3月5日朝6時の大室漁港)

 

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刈り取ったわかめを陸揚げすると、すぐさま浜でボイル、塩蔵します。支援活動で十三浜を訪れた自由学園男子部生徒も、教わりながら手伝いました。

自由学園男子部生徒の様子はこちら

 

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わかめを広げるとこんな形をしています。中心の太い部分が中芯(茎わかめ)。一番下の塊がメカブです。

 

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津波で損傷したままの岸壁(大室漁港)。漁師さんたちは復旧途上の浜で、不便を強いられながら海の仕事をしています。

 

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十三浜に春の訪れを告げる「春祈祷」の獅子舞い。この日ばかりは笑顔が広がります。(2月8日)

 

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津波で家々が流され空き地の目立つ浜にも、春祈祷の日には人が戻って来ます。