作曲家・木下牧子さんの音楽が生まれる時間

 

声楽からオーケストラまで、日本のクラシック音楽界に多くの名曲を送り出してきた、作曲家の木下牧子さん。

長年にわたって第一線で活躍する木下さんに、創作における時間の使い方をお聞きしました。

 

 

【プロフィール】

作曲家・木下牧子

きのした まきこ:東京藝術大学作曲家首席卒業。同大学院修了。管弦楽からピアノ曲まで活動は幅広く、特に声楽作品は抜群の人気を誇る。主要作品に、オペラ『不思議の国のアリス』、管弦楽曲「ルクス・エテルナ」、吹奏楽曲「ゴシック」、歌曲集の「秋の瞳」、合唱曲「春に」「鴎」ほか。出版・CD多数。

 

 

創作の核となる作業は

早朝の3時間

 

木下さんの朝は、早い日には4時半から始まります。
「いちばん頭が働く、早朝3時間の集中がすべてと言ってもいいぐらい。まずは2~3時間、とにかく机に向かいます」。

歌曲や合唱曲、オペラなどの声楽作品から器楽、室内楽、管弦楽作品まで、実に多岐にわたる作品を発表し続けてきた木下さん。

現在は2025年1月末に初演予定の新作オペラ『陰陽師(おんみょうじ)』制作の真っただ中です(委嘱・東京室内歌劇場)。

 

「さすがに今はやりませんが、若い頃は、オペラの追い込みの時期に床の上で寝てしまっていたこともあります」。

1年にもおよぶ制作期間の中では、寝る前にふっと心を休める15分が大切になる、と木下さん。

「寝る前のほんのひと時、ノンカフェインのルイボスティーをいれて『今日はがんばった』と思えれば、いちばんいい1日ですね。でも、『あともう1ページ書けるかな』と頭を動かして眠れなくなることも」と話します

 

作曲に取りかかる前には小旅行へ。新作の構想を練り、気持ちを整える時間でもある。

 

大学院在学中に作曲家としてプロ・デビューした木下さん。第一線で活躍する中で大切にしてきたのが、自分の作品を集めた個展コンサートです。これまでに5回、毎回異なる編成で作品展を行ってきました。

 

「依頼を受けるだけではなく、自主的に発信していかなくては、と思っています。この20年で現代音楽はずいぶん変化しましたが、時代の先端を行こうとせずに、自分の好きだと思う音楽をしてきました。その方が時代が巡っても、変わらずにいられるのかもしれませんね」

 

 

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2024年5月発売の「1日が変わる”15分”の使い方」では、木下さんの早朝の時間の使い方、作曲の仕事についてより詳しく紹介。そして、30代の頃に起きた、ある転機についてもお話くださいました。

ぜひ、ご覧ください!

 

「朝いちばん、音楽が生まれる時間」(撮影=鈴木慶子/文=原典子)

 

 

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