庭で育てた3本の樹から
[モノと暮らしのストーリー・門倉多仁亜さん 03]
鹿児島県鹿屋(かのや)市に移住し、地元の食材を使った料理や、豊かな自然の中での暮らしを楽しんでいる門倉多仁亜(たにあ)さん。料理教室や料理にまつわる物販などのほか、1泊2日のツアー、”クッキングホリデイ”も主宰されています。都会から移住して、暮らしを通して感じる変化や、庭の果実を使ったジャム作りについて。また、郷土料理をヒントにしたアレンジや、こだわりのはちみつについても伺いました。
(文・鈴木 裕子/写真・福元 由起子、門倉 多仁亜)
柚子の香りでさわやかに 〜ブルーベリーとゆずのジャム〜
門倉多仁亜さん(料理家)
多仁亜さんの庭で収穫したブルーベリーと柚子を、ていねいに炊いて作ったジャムです。
「普通、ブルーベリーでジャムを作るときには、とろみをつけるためにレモンを入れますけど、せっかくなので柚子と合わせてみようと。ブルーベリージャムを作るときはスパイスやハーブを加えてアレンジすることも多いのですが、今回はシンプルに。砂糖は、色がきれいに仕上がるのでグラニュー糖を使っています。思った以上に柚子の香りがアクセントになって、さわやかなジャムになりました」
ブルーベリーは今夏、柚子は昨冬に収穫したものを冷凍しておいて、使用。冷凍する際、ブルーベリーはそのまま、柚子は皮と房を別々にして、皮は煮てから保存します。それをブルーベリーと合わせて煮るので二度手間になりますが、その分、おいしさは格別です。
「ブルーベリーの木は、6、7年前に1本植え、その後、1本2本と植え足して4本に。毎年、合計で15kgくらい収穫していました。ところが、今年の台風で4本のうちいちばん大きな、2mほどの木が根こそぎ倒れてしまって。風がしつこく同じところを吹いていて、ちょうどその木に当たってしまったのだと思います。来年は収穫量がグッと減るでしょう。でも、自然相手だから仕方がない。残りの3本を大切に育てます」
柚子の木は庭に1本だけですが、とても大きく、収穫する時にははしごに乗って、そこからさらに高枝切りバサミで切るのだそうです。
「大変ですが、おいしいジャムのためなら何のその。って、作業するのは夫なのですけど(笑)。柚子は、当たり年とはずれ年があるようで、その差は結構大きいんです。今年は当たり年で、まずまずの大きさの実が100個ほど採れました。来年が楽しみです」
多仁亜さんが、”わが家用”に作るように、添加物や保存料を使用せず一つひとつ手作りしたジャム。パンにつけるのはもちろん、ヨーグルトやアイスクリーム、チーズケーキなどに添えるのもおすすめです。
(2024.01.08)
※商品データ
ブルーベリーとゆずのジャム【門倉多仁亜さんおすすめ】 1,080円(税込)
原材料 ブルーベリー、砂糖、柚子
内容量 140g
保存方法 冷暗所(開栓後は要冷蔵)
賞味期限 2025/04/30
今回ご紹介した商品は、F-TOMO SHOP でもお求めいただけます。
ぜひご覧ください。
次回は、「紅玉のジャム」について伺います。
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門倉多仁亜 かどくらたにあ
日本人の父とドイツ人の母の2つのルーツをもち、日本、ドイツ、アメリカで育つ。国際基督教大学を卒業し、証券会社に勤務。結婚後、ロンドンのコルドンブルーのグランディプロムを取得、東京の自宅で料理教室を主宰。現在は夫の出身である鹿児島県鹿屋(かのや)市在住。月刊『婦人之友』など、雑誌や書籍で料理や自身のライフスタイルなどを発信。