自然の営みと緩やかに繋がる家

[モノと暮らしのストーリー・加賀江広宣さん 03]

 

鹿児島市の中心から少し離れた里山で、妻と3人のお子さんと一緒に暮らす加賀江さん。Instagramで発信されるその暮らしからは、都会の生活ではなかなか味わえない豊かな時間が伝わってきます。

土地との出会いから家づくり、そして日々の暮らしや子育てなど、地域や自然とのつながりを通して感じたこと、変わったことなどをたっぷり伺いました。

(文・赤木 真弓/写真・加賀江 広宣)

 


 

自然の営みと緩やかに繋がる家

加賀江広宣さん(住むということ探究人)

 

(写真・小野 慶輔)

 

自然を生かした家づくりにこだわった加賀江さん。取り入れたのは「空気集熱ソーラー」でした。

 

「一般的な発電をする太陽光パネルではなく、屋根で受け止めた太陽の熱を使って空気を温め、それを床下に蓄えて家中を温める仕組み。冬はできるだけ太陽の熱だけで過ごせるようにしていて、暖房を使わなくても、冷え込んだ朝でも18度ぐらいあって最低で15度ぐらい。日中は24度ぐらいまで上がります。さらに寒いときは薪ストーブを使いますが、電気代もかからず、自然の営みと緩やかにリンクしている感じがとても嬉しいです」

 

 

外壁は杉の板を真鍮のビスで固定。自分でメンテナンスができることを重視したそう。

 

「今の住宅会社に務めるきっかけとなった家と出合うまでは、木の壁は腐るから外壁に使うのはありえないと思っていたんです。でもこの会社に入って木の壁を知ると、そう簡単に腐るものではなく、表面の色が変わっていくだけで、削ると新築のときと同じ色だとわかって。そういう意味ではあまりメンテナンスをしなくてもいい素材だし、木はそのときそのときの表情を見せてくれる。それに、木に色を塗るのは誰でもできるんですよね。

 

実際にうちは子どもたちと一緒に塗ったし、釘も何かがあったときは簡単に交換ができます。住宅に対する心配は、多くはメンテナンスのこと、しかもそれにお金がかかることだと思うので、自分で手入れができるというのはいろいろな心配がなくていいですよね。昔は自分の家を自分で手入れするのは当たり前だったと思うのですが、それは手入れができる素材で家を作っているから。そういうことが大事だなと思います」

 


 

今回ご紹介する加賀江さんの愛用品はこちら。

RIVERS サーモジャグ キート1200

※画像中央

 

(以下、加賀江さんコメント)

卓上の魔法瓶ポット「キート」は、電源不要で大容量。普段お客さまが来てくれるときに、飲み物を入れておけるものがあるといいなと探したものです。キッチンの窓辺にコーヒーカップと並べて置いているのですが、パッと取れる、見える場所に置いていてもいいなと思えるシンプルなデザイン。持ち手が木製なので、この家とのなじみもよく、お気に入りの風景の一部になっています。

 

(2025.01.31)

 

ご紹介した商品は、F-TOMO SHOP でお求めいただけます。

ぜひご覧ください。

 

次回はインタビューと併せて、「LAMY サファリ ブラック 万年筆 M L17-M」についても伺います。

     

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    加賀江広宣 かがえひろのぶ

    1980年長崎市生まれ。高校でインテリアを学んだ後、九州産業大学建築学科、同大学院建築学専攻修士課程修了。ゼネコンの施工管理、住宅会社の営業を経て、2010年株式会社シンケンに入社。2013年、鹿児島市中心街から少し離れた里山に家を建て、太陽、風、木々のにおいを感じる暮らしを楽しみながら、Instagramで発信する。妻、長男、長女、次女との5人暮らし。

    2023年12月7日に著書『住む、ということ 里山のちいさな暮らし』を、婦人之友社より発売。

    【Instagram】@kagae_hironobu


    2023年12月7日発売

    『住む、ということ』

    1,760円(税込) 詳細⇒