新版 聖書にみるドラマ
1980年(昭和55年)前後の『婦人之友』に掲載された記事の中から31篇を再録。
旧・新約聖書に記述されたドラマが、各執筆者を通して読み解かれます。
執筆者 森 禮子/隅谷三喜男/大木英夫/田中澄江/秋田 稔/斎藤 勇 他
表紙 田中忠雄・画 「親切なサマリア人」
目次
- 天と地の間に〈旧約〉
- 天地創造から十字架へ/啓示と科学のあいだ 斎藤文一
- 愛のありか/ふりかえるロトの妻 森 禮子
- 主の山に備えあり/アブラハムの愛と真実 平出 亨
- 純愛と不純/水を汲む娘リベカ 久米あつみ
- 神と人と
- 技術文明への問いかけ/バベルの塔 隅谷三喜男
- 生きつづける預言者/モーセ 浅野順一
- 王と農夫/アハブとナボテの場合 野村 実
- 主よ語り給え/わらべサムエルをめぐる黙想 関田寛雄
- 病床という聖所にて/サムソンを語る 大木英夫
- 一びんの油/ある母子とエリシャ 牧野信次
- 苦悩をこえて
- “あなたがその人です”/ダビデ王とナタンの直言 三井 明
- “わが子よ わが子よ”/アブサロムの死とダビデ P・ネメシェギ
- 早春に招かれた人/エレミヤ 松田智雄
- 苦難の謎/ヨブ記のテーマ 船水衛司
- 絶望への自由とその断念/「伝道の書」の詩的詠嘆 石原吉郎
- 平安への遍歴/感謝と謝罪の詩 片岡美智
- イエス─光の到来<新約>
- 私にとってのマリア/ひとりのみどり児われらのために生まれたり 田中澄江
- 隣人とは誰のことか?/サマリア人・イエス・そして私 雨宮栄一
- 富者と貧者/ラザロ物語と現実 宮崎 亮
- 苦悩への感受性/女を癒した主の愛のまなざし 大塚野百合
- 悪人に手向うな/永生への道程に立つ 藤林益三
- 出会い─父なる神を仰ぐ
- 父の愛の物語/ある兄弟のたとえ話と現代 吉田新一
- 何を求めるのか/ゼベダイの子らとその母 谷 昌恒
- 渇きをいやすもの/サマリアの女と救主 栗山百合子
- 人間至上主義の破綻/『罪と罰』にみる復活の意味 吉村善夫
- 青年の生と死/パウロのローマ人への手紙から 吉田 満
- 新しき生─祈りつつ
- 人格的破滅より新生へ/使徒ペテロの場合 秋田 稔
- 遅れて死ぬ者たち/母マリヤとマグダラのマリヤ 安西 均
- 名もなき民衆の中に/隠されたマリア 荒井 献
- 新しい天と新しい地とを見た/ヨハネ黙示録の展望 佐竹 明
- 主の祈り/人生を導くイエスの教え 齋藤 勇
旧約のイスラエル史と地図 山岡 健
聖書 永遠に新しい本(解説) 平出 亨
推薦します(婦人之友2012年5月号より)
近藤勝彦 (東京神学大学学長)
現代という不安な時代を生きる私たちに、聖書は数多くのドラマを通して語りかけてきます。それらのドラマは,故郷を失い、安定を失い、自分自身を失う危険にいる私たちに、新しい自己発見の場を与えてくれます。多彩な執筆者が、橋渡しの労をとりました。聖書が証言している巨大な唯一のドラマ、神の恵みの救いの中に新しく生きはじめる案内として、既刊『聖書の人びと』とともに本書が読まれ、親しまれますよう、お薦めいたします。