きっとラクになる 介護読本
2023年5月18日発売
超高齢社会となったいま、介護はだれにとっても
不安や悩みを当事者のみなさんと一緒に考えることで、少しでも心が軽くなる方法をさぐっていきます。
在宅介護をしている方たちは、なるべく「他人の専門家」を頼りましょう。介護には、他人の目=考え・見守り、他人の手=労働が必要です。「ただいま、わが家は介護中!何かのときはよろしく」と宣言して自分だけで背負いこまないこと。ケアという意味では子育ても介護も同じです。 ――『介護読本』出版にあたって 樋口恵子 より |
目次
『介護読本』出版にあたって
これからは「ワーク・ライフ・ケア・バランス」樋口恵子(高齢社会をよくする女性の会理事長)
はじめに
第1章 さまざまな介護のかたち
11人、11通りの介護のかたち
夫婦二人で ~妻が夫をみる~
- 「家で最期まで過ごしたい」という夫との約束を果たすために 藤原稔子
- 若くして倒れた失語症の夫と「今日一日を楽しく」をモットーに 櫻井映美
夫婦二人で ~夫が妻をみる~
- この状態に出口があるのか見通せず苦しくなるときがある 森 純一(仮名)
同居する親をみる
- 介護と在宅での仕事のバランスをとりながら 神藤正人
- 父と母と義母、三人の介護で悟った思い 田中淳子
別居から同居へ
- 別居、同居、入院、施設。自分の人生も大事にしつつ介護する 棚橋洋子
- 家族みんなで協力しながら続けた義母の介護 赤塚眞理子
離れて暮らす親をみる
- ローテーション表をつくり一人暮らしの義母を家族で見守る 木村実千代
認知症の家族をみる
- できなくなったことよりも、できることを数えながら 水嶋芳美
- 父が父らしく生きられるように、姉妹交代での実家通い 奈良銘子
- ゆっくり子どもに戻っていく母と成長していく子どもたちと 安藤朋子(仮名)
第2章 介護のはじまり
アンケートより
- 前もって介護の準備をしていましたか?
- 現在、利用している介護サービスは?
- 介護サービスを利用して思うことは?
Q&A 介護の準備と介護保険について 回答 結城康博
第3章 在宅介護の住まいの工夫
アンケートより
- 居住空間で、工夫をしていることはありますか
Q&A 住まいの見直しについて 回答 安楽玲子
第4章 在宅介護の食事の工夫
アンケートより
- 介護食で工夫していること、実践してよかったことはありますか
- 食事以外に気をつけていることはありますか
Q&A 介護食について 回答 室賀伊都子
第5章 在宅介護の排泄と入浴の工夫
アンケートより
- 排泄時のケアで悩んでいることはありますか
Q&A 排泄についての悩み 回答 梶原敦子
アンケートより
- 入浴介助について心配事はありますか
Q&A 安心・安全な入浴介助について 回答 松岡千鶴子
第6章 認知症の家族との暮らし
アンケートより
- 認知症の家族の介護に直面して思うことについて教えてください
- 介護中に起きた心に残る出来事はありますか
- これをしてよかったと思うことはありますか
- Q&A 認知症の介護の悩み 回答 岩田 淳
第7章 施設での介護のかたち
アンケートより
- 施設に入ったタイミングやそのときの状況について教えてください
- 施設介護だからこその悩みはありますか
- Q&A 施設選びと入所の悩み 回答 小嶋勝利
- ホーム見学チェックリスト
第8章 介護の日々のなかで
どう解決する? 介護のもやもやとの向き合い方 回答 結城康博
- もやもや 1 自分に何かあったらという不安
- もやもや 2 終わりがない、出口がない状態
- もやもや 3 認知症の対応に自信がありません。やさしくなれません
- もやもや 4 介護の方向性がまとまりません
- もやもや 5 介護サービスについて悩んでいます
- もやもや 6 遠距離介護ならではの悩み
- もやもや 7 きょうだいとの考えにズレが……
- もやもや 8 元気のない夫。どんな会話がいいのでしょう
アンケートより
- わたしのもやもや解消法
エピローグ 介護について思うこと
アンケートより
- 介護について思うこと
- 看取りを終えて
- 自分が元気でいるために
アンケートにお答えいただいた、130人の方たちのこと
知っておきたい 介護の知識
介護保険制度と申請のタイミング
栄養バランスのよい1食、1日分の食事の適量とは?
低栄養を防ぐ食材と調理のヒント
おむつやパッドを使う前に
いろいろな入浴介助の道具
入浴介助をする前に気をつけたいこと
認知症についての基礎知識と介護のポイント 監修 岩田 淳
介護を支えるいろいろな見守りサービス
要介護者の判断能力が低下したときの財産管理について 監修 村山澄江
高齢者の住まいの種類
介護COLUMN
- 要介護4から寝たきりへ、在宅介護費用はおよそ2.2倍に 廣重美和子
- 義母の言葉と私の思いを綴った「覚え書きノート」 宮内貞美
- 介護福祉士でも家族の介護は迷いが多かった 富村 礼
マンガ 介護のココロ 作・古野崎ちち子
- その(1) また来てね
- その(2) うっかり
- その(3) 捨てる娘と拾う母
- その(4) 新しいジム
- その(5) 女子力高い母
- その(6) 母さんグルメだったの?
- その(7) 無限パスタ
- その(8) お宝誕生
- その(9) 紙パンツは絶対にはかん
- その(10) 埋蔵金発掘
- その(11) 支えてくれてありがとう
- その(12) 車いす奪い合い事件
- その(13) 愛されますように
- その(14) 楽しい時間のあとに
- その(15) 自宅に帰ったら
読者アンケートはがきより
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今年の2月まで本の内容にあるような経験をしていました。もっと早く読んでいればおおいに役に立ったと思いました。主人に先立たれ今度は自分にもと思い今のうちに出来ることはしておきたいと思います。(SCさん 群馬県 70代)
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義父と義母を15年近く介護しました(現在、2人とも亡くなっています)。今度は私と夫が介護される立場になると思い、その前に一層の理解を深めるため本書を購入。読もう読もうと思いながらも当時のことが思い出されるのがつらく、なかなか手に取ることができませんでした。一読しての感想は「本当にみなさん真剣に毎日を過ごし、温かい気持ちがあふれる介護をされているな」ということです。この本は、若い人も老年の人もみんなで読むべきと、深く感じました。(KTさん 東京都 60代)
- 一気に読みました。夫は寝たきり状態で周囲の心配もありましたが、自宅で介護をしています。入院前は支えればなんとかトイレに行くことができていましたが、3カ月の入院生活で言葉がほとんど話せなくなり食事もゼリー食となり、思っていたより忙しくしています。週に3回ヘルパーさん、週に1回看護師さん、月1回往診、口腔ケアをお願いしています。費用のこと、食事のたんぱく質のこと、とても参考になりました。『明日の友』も参考にしています。ノートに記録をとっていますが、ケアノートに替えようと思います。(NTさん 岡山県 80代)
- 高齢2人の暮らしです。諸々の体験談、その他いざという時に役立つ資料として購入しました。わかりやすくてとてもよい企画だと思いました。(KNさん 広島県 80代)
- 体験談がのっていて参考になった。情報を共有する場があれば、介護者や家族がホッとできると思う。(MMさん 香川県 60代)
- 妻が要介護1の被介護者で、私の介護生活は6年目になります。当初どんな病状変化かわからなかったですが、2年ほど前に難病指定のパーキンソン病と診断されました。複数疾患をかかえ、老々介護を続けています。本書は、特に第1.5.6.8章が参考になり役立ちました。感謝です。ありがとうございました。(MTさん 千葉県 70代)
- 昨年、もう限界と思った頃に、介護は終わりました。まさに“神は負えない荷は負わせられない”でした。自分では大変と思っていましたが、本書を読み、はるかに大変な方々が居られるのを知りました。次は介護を受ける側としての心の準備の参考にさせていただきたいと思います。(YSさん 愛媛県 90代)
- 夫は要介護5で、月に2週間ショートステイを利用。在宅の週は3回(1回は入浴サービス付)デイケアサービス、2回の訪問看護を利用。主たる世話は妻である私ひとり、というのが現状で本書は一気に拝読いたしました。今、いちばん気になっているのは「夫と2人で在宅の時に、ライフラインに影響するような地震がおきたらどうしたらよいか」です。マンション住まいで建物に住める状態であれば住み、自家発電機を利用して電動ベッドを使うなど考えています。(MTさん 東京都 70代)
- いろいろなケースがあり、たいへん勉強になりました。一人一人ケアは違いますので「あたたかい心と声がけがあれば」と、ケアマネージャーを10年して感じていました。これから「ケア」をする方のために良い本だと思います。(SEさん 山形県 70代)
- 介護アンケートに参加させていただいた頃は、実母が寝たきりの状態になって間もなくの頃で、精神的にも身体的にも大変な時期でした。母は98歳になり、自力で立つことも歩くこともできませんが、低床ベッドから下りたり上ったりができるようになり、顔も明るくなりました。『介護読本』は多くの人の経験や工夫、知恵がぎっしり詰まっていますね。また、もやもやとの向き合い方ではヒントが与えられ心強いです。イラストもたくさんありマンガもあってとても楽しく読むことができます。私自身も高齢で介護を受ける立場になるのも遠くないと思います。自分自身はその時どういう介護をしてもらいたいか、介護の知識に書かれていることをよく知って考えておきたいと思いました。たくさんのアンケートをまとめられ、素晴らしい本にしてくださってありがとうございました。若い人たちにもぜひ読んでもらいたいと思います。(IKさん 愛媛県 70代)