住む、ということ 里山のちいさな暮らし
2023年12月7日発売
鹿児島県の里山に家族5人で暮らす加賀江広宣さんは、住まいにこめた思い、土地選びから資金計画、自ら設計した天然素材の家づくりのプロセス、そして日々の暮らしで感じたことをインスタグラムで発信しています。
今回、これまで書き綴ってきたものをベースに、現在進行形の今の暮らし、これからの生活を見据えたまなざしも編み込んで、初めての著書を刊行。
また写真は、家の誕生から10年、著者が撮り溜めてきた瑞々しいカットの中からセレクトしたほか、鹿児島と東京の二拠点で活躍するカメラマン小野慶輔氏の撮り下ろし写真も収録。
家と人の息づかいが、静かに迫ってきます。
「ふだんを一番幸せに」との気持ちが溢れる言葉の数々。
家と関わる楽しさを気づかせてくれ、自分と住まいの関係性が変わる1冊です。
日々そこに身を置き、住むことを感じていると、思いや行動がむくむく湧き上がってきて、だんだん形になっていきます。そうした痕跡の積み重ねによって、その人、その家族の人生が、その家に映し出されたとき、何とも言えない深みや愛着が醸し出されていくように思うのです。(はじめにより) |
プロフィール
加賀江広宣 かがえひろのぶ
1980年長崎市生まれ。高校でインテリアを学んだ後、九州産業大学建築学科、同大学院建築学専攻修士課程修了。ゼネコンの施工管理、住宅会社の営業を経て、2010年株式会社シンケンに入社。2013年、鹿児島市中心街から少し離れた里山に家を建て、太陽、風、木々のにおいを感じる暮らしを楽しみながら、Instagramで発信する。妻、長男、長女、次女との5人暮らし。
撮影:小野慶輔・加賀江広宣
編集部から
住まいを通して、「どう生きていくか」をやわらかく問いかける加賀江さん。「普遍的な形や素材でできたものは、人の暮らしだけでなく、ちゃんと自然とも呼応してくれるような気がする」。加賀江さんの住まいを拝見しながら、生活と命の紡ぎ方にもフォーカスした本書をぜひ味わってください。
刊行記念 加賀江広宣さんトークイベント<九大伊都 蔦屋書店>2024年5月25日(土)4/19~5/31フェア開催⇒
インスタライブ 2023年12月5日(火)⇒終了しました
目次
Chapter1
家と暮らしがつながった日
家のこと
住まい=居場所
家をつくるときに大切なこと
「窓の向こう」にあるエネルギー
「ずっと居たい」と思える場所
家族が幸せになるために、お金をかけるもの
便利か不便かではなく、心穏やかでいられるか
末長く愛せるか
Chapter2
思いを込めた家づくり
土地を買う
中身で選んだ土地は175万円
自分の手で開墾
なぜ田舎を選んだか
心の豊かさと、土地と家
土地選びは、結婚相手選び?!
〈土地の探し方 参考〉
資金計画
小さなお金で大きな予算をつくる
〈住宅ローン借入額の参考〉
加賀江家の間取り図
陽だまりのある家
優しくて強い天然素材、杉板外壁
メンテナンスコストがよい木の壁
白い壁と木の柱―落書きがなじむ家
働く壁
仕切りのない子ども部屋
浴室とランドリーは2階
空気循環で家じゅう空気サラッと
光熱費の話―節約主婦の電力量料金とのたたかい
住みながらこしらえていく
思いを広げるハナレ
Chapter3
暮らしが人生
陽だまりが心の芯に届く幸せ
家で人は変わる
窓で暮らしは変わる
家事が楽しくなる家
[季節を感じる暮らし]春
[季節を感じる暮らし]夏
[季節を感じる暮らし]秋
[季節を感じる暮らし]冬
食べ物の変化で健康的に
収納と片づけ
子どもの片づけ
田舎での子育て
子育て観と親の気持ち
2反の田んぼ
「大切な欲」を見極める
ひとりごと
- 今を信じて進む選択
- 未来を想い描く
- 古くなる
- らしく、いられるように
- 感覚に記憶する
- 親としての振る舞い
- 遠くを見て、今を生きる
- 誰かのおかげで成り立っている
Q&A
- 物の選び方について
- インテリアについて
- 椅子について
- 照明について
- 最近購入したものについて
- 工務店選びについて
おわりに
付録「ふだんをいちばんの幸福に」家づくりマップ
2023年12月5日開催 インスタライブ
読者アンケートより
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『住む、ということ』というタイトルに惹かれ購入しました。本のデザイン、カバーの中、サイズ感、頁ごとの文字のフォント、写真、どれ一つとっても好みのもので、ぜひ、バイブルとしてわが家にと思い、購入させていただきました。“暮らす”ではなく“住む”という言葉を見てとてもハッとさせられました。人間的な営み、住む、ということは“生きる”ということなのだと。“生きる”ことをこんなにも視覚的にあらためて教えていただける本に出会えてとても幸運だと思いました。家造りや建築を学んでいた学生の頃の初心にもかえることができ、家、建築、生きるということ、それらをいつでも読んで思い出せることのできる1冊として、これからわが家の中で大切に本棚に入れさせていただきます。(宮城県 ORさん 20代)
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届いた本を開いて、引き込まれるように読んでしまいました。“住むこと”について、“幸せ”について、家庭生活が社会の基盤であることを改めて考えさせられる本。これから家造りを考えている弟に、まっ先に薦めました。(茨城県 UMさん 60代)
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「住む、居場所」が「住まい」。「住む」は、命の本質的な営みがにじみ出るような感覚があり、「住まい」は生きることにいちばん影響力のある場所。など、お考えに感銘をうけます。お子様たちが、手作りのブランコ、シーソー、バスケットゴール、はしご等で遊び、外で食べている様子など、うらやましく見ました。(徳島県 SHさん 60代)
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住む。ということに思想があり、私の考えにぴったりでした。一気に読みました。加賀江様の語りかけ、とても心豊かになりました。理想の家づくりではありませんでしたが、残された人生、これをなんとか生きる喜びになるように愉しみます。建築学者の早川和男氏も「住居の力は偉大」と。(兵庫県 DSさん 90代)
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生き方、人生で大事なもの、家のデザイン、インテリアに共感しながら何度も読んでいます。将来、私の実家をぜひこういう「木」の家に建て替えかフルリノベーションしたいです。(福岡県 IKさん 50代)
- インスタグラムでフォローさせていただいています。あたたかみのある素敵なお住まいで「こんな家に住めたらいいな」と憧れています。SHINKENさんのモデルルームを見にいきました。土地を見つけるところから建てる過程、とても参考になりました。縁があっておひさまの光を感じられ、四季をすべて楽しめる家。人に見栄を張るためじゃなく自分が居心地よく過ごせるための家。そんな自分にとって最高のお城がいつか持てたら良いなと心から思いました。ご家族がこれからも健やかにお過ごしできますように!インスタも楽しみにしております。(福岡県 ASさん 40代)
- 長野に移住し、すぐ結婚、出産。里山に住み、古民家に暮らしています。ただ、手狭になった借家を自由にリフォームできないことを理由に近くに同じような古民家(立派ではない)を購入しました。が、なかなかリフォームのイメージがわかず、困っているところに本屋さんで偶然この本を見つけました。今、読み終わりました。加賀江さんの暮らす根底にある想いに大変共感しました。“私もこう思ってこの地、家を選んで生活している”と。それを具現化していらっしゃる図を見せていただき、これからの改修になんとなくのイメージがわいてきました。ありがとうございます。(長野県 KAさん 40代)
- 子どもが3人いてもっと広い家に住みたいなと思って生活していましたが、各々独立して家を出ていくと「小さい平屋で充分だね。」と夫が言うようになりました。加賀江さんはそういう家族の変化も年表を作り、だから今は子供部屋はこういう形でいいと本の中で話されていました。夫妻でよく話し合わないとこういう哲学的な家庭にはならないと我が身は反省するばかりでした。(一度お訪ねしたいと思いました。)(茨城県 TMさん 60代)