『メスとパレットⅣ』刊行にあたり 第1回
各国で開かれる学会後に回る、旅にも同行してきた岩崎 善毅(よしあき) 先生(都立駒込病院胃外科部長)との、旅の思い出の第1回目です。
岩崎 : 4冊目が出ましたね!今回もよい本になって、おめでとうございます。待っていましたよ。一冊目の最初に出ているイタリアの旅に同行させてもらって、今回のⅣ冊目には、始めて本名で載せてもらい、うれしいですよ。Dr.イワノフがちゃんと岩崎になっていたでしょ(笑)。
森 : うふふ、どうみてもイワノフだものね。読者も、この写真を見て納得でしょう。おもしろい。
岩崎:ひどいなあ、ところで、森先生がまだ医長になっていない昔に、ちょうない会(「長」がつかない)という外科医師の集まりをつくってね。
森 : 名づけ親は僕かな。
岩崎 : その頃から、先生を中心に、孤立でなく集団の外科一族でしたね。この『メスとパレット』の楽しい旅に、たくさんの医師が喜んで同行したのも、そうした先生の部下へのやさしい面に惹かれてなんですよ。車の運転もさせられたけど。でも、それがあって、この4冊目の旅日記も出来たのかな。
森 : いや、いや、私はいつもレンタカーの助手席で、岩崎君たちのナビをしていたよ。左だ、右だと。この『メスとパレット』にも書いた「動物的カン」という奴でね。
岩崎 : 先生、挿絵もさすが、きれいですね。水彩画につかう水を調達してこいと言われた時など、歩きつづけてやっと民家をみつけ、ノックして、身振り手振りで大変でしたよ。ようやく分かってもらい、やれやれ。でもコップに水を入れてきて、さあ飲みなさいと。絵を描くまねをいろいろして、やっと水が運べたんですよ。
森 : それはどうも、、、、。僕の方だって、君たちがおいしい飯にありついている中、ひとりぼっちで、むずかしいアングルに挑戦したり。ほとんどの絵が、描きにくい場所でね。水に苦労したり、宮崎県の西都原は立っているだけで汗だく。ドイツは麻痺しそうな寒さのなか、その話は今回の旅日記に書いたけどね。
(つづく)
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