3年連用花日記 四季
この『花日記』は3年間つけられます。
1カ月を上旬、中旬、下旬に分け、前年との比較がしやすい記入欄です。
タネをまいた、発芽したなど、庭の作業記録や植物の生育記録とともに、庭の花、近所に咲く花、旅先で出あった草花を書きとめておきましょう。
天気や気温を書き込んでおけば、この花が咲いたら、このくらいの気候になるなど、季節の推移の記録にもなります。
気温は気象情報や新聞などを活用して、植物の生育を左右する最高気温と最低気温を記しておきましょう。耐寒性、半耐寒性、非耐寒性それぞれの植物の適期に防寒対策をスタートできます。逆に、夏の高温が続くと、植物は元気をなくします。涼しく過ごさせる工夫が必要となるわけです。
各地域の霜の初日・終日の平年値(P.133)も参考にしてください。
各月の扉には、その月の主な作業(南関東標準)を、メモ欄にはその月に庭や鉢で植えたいおすすめの花、見ごろの花を入れました。
南北に細長い日本列島ですから、植物の生育は地域によってずれがあります。
その調整役をしてくれるのが、生物季節観測平年値(P.132 ~ 133)です。
生物季節とは、植物の開花、鳥や虫の初音など、生きものが教えてくれる季節現象です。気象庁では全国各地の気象台などで長期的に観測して、平年値を発表しています。地域によって日付は異なっても、同じ花が咲けば同じ気候になることを表しています。また、あなたの花暦を平年値と比べて、その年の季節の進み具合の目安にもできるでしょう。
人も植物も自然の中でくらしています。五感を使って自然のリズムをとらえてみましょう。花だけでなく生きものすべてを、光や風、空の色、月を観察して書きとめましょう。
この日記帳が個性豊かなあなたの花生活の、よい記録となりますように――。
プロフィール
- イラスト:黒岩多貴子 Takiko Kuroiwa
中の島美術学院卒業。デザイン会社勤務を経て、1992年よりイラストの仕事を始める。2011年より、『婦人之友』『明日の友』の挿絵を担当。2012年版3年連用花日記も。著書に『京都・大阪・滋賀 水彩さんぽ』『かわいい和風イラスト』など。 - 協力:山田幸子 Yukiko Yamada
園芸研究家。千葉大学園芸学部園芸学科卒。園芸に親しむためのわかりやすい解説に定評があり、雑誌や講演などで活躍中。2013年『婦人之友』にて連載。著書に『二十四節気でわかる園芸作業』『12カ月 花づくり 庭しごと』ほか。