婦人之友
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■2020年1月号 編集後記
特集
あなたにとって 多様性って何ですか?
生活習慣の違いを越えて「互いを知る接点づくり」を試みる川口芝園団地の住民たち。
障害を持っていても、家族みんなが心地よく暮らせる家づくり。
鶴と人間の共生を模索する北海道鶴居村、N Yの多様なファッション。
誰もが生きやすい社会への「ちがうって大変、でもおもしろい」の歩みから、"多様性"を探ります。
わたしを生かすファッション ダイバーシティの街NYから
様々な国籍や人種、そして文化を持つ人たちが集まるニューヨーク。エリアによって集住する民族が異なれば、ファッションもまた然り。アメリカに暮らし、街ゆく人たちを撮り続けてきたワインスタイン今井絹江さんが、この街に見る「多様性」は――。
共存・共生は接点づくりから 川口芝園団地の取り組み
入居者の約56%が外国人(9割が中国人)となった川口芝園団地(埼玉県)。旧住民は高齢となり、新住民の外国人は若く、2~3年で引越していきます。国籍や慣習、世代の違いから生じる生活トラブルを解決しつつ、共存から共生への試行錯誤を重ねている様子は、日本がこれから迎える地域社会の一歩先の姿です。
心のバリアもはずす家を
ある日突然、事故や病気で体が不自由になったら……高齢の親が倒れたら……玄関の段差は?トイレの手すりは?
障害を持っていても、介助をしていても、みんな安心して暮らせる空間づくりに取り組む人たちがいます。
人と生物の共生とは? ツルの村で今、起きていること
和田正宏(写真家・北海道鶴居村)
国の特別天然記念物、タンチョウ。保護活動により、生息数が増えてきた近年、人との関わり方が問われています。長年、その姿を撮ってきた和田さんに、その様子を寄せていただきました。
新春対談
「文化のちがい」を聴く・読む・味わう
ひとつの言葉、一節の調べも、それを受けとめる文化によって、まったく異なる意味をもってきます。シューベルトの「菩提樹」から、そんな「ちがい」に分け入ると……。多様性の時代を生きる私たちへのメッセージ。
- 八巻和彦(哲学者)
1947年生まれ。早稲田大学名誉教授。和歌山大学を経て、90年より早稲田大学勤務。早稲田中学校・高等学校の校長も務めた。近刊『クザーヌスの思索のプリズム』、著書『クザーヌスの世界像』ほか多数。 - 梅津時比古(音楽評論家)
1948年生まれ。ジャーナリスト、桐朋学園大学学長。毎日新聞の記者となり、ケルン音楽大学留学を経て、学芸部専門編集委員に。10年から桐朋学園大学音楽部特任教授、13年より現職。11年~16年、本誌に「おんがくてちょう」を連載。近刊『死せる菩提樹』、著書『音のかなたへ』ほか多数。
始めよう! プラスチックフリー・ライフ
未来のために知っておきたい 海とプラスチックの話
大阪商業大学准教授・NPO法人プロジェクト保津川代表理事 原田禎夫
昨年、全国友の会(婦人之友読者の会)近畿部で勉強会「プラスチックフリーについて考えてみませんか」が行われ、原田さんによる講演と各地の取り組みの報告がありました。深刻な事態を前に私たちにできることは――
新シリーズ・新連載
暮らし あなたの・みんなの悩み研究室
編集部に届く「困っています!」の声から、皆さんと一緒に考える「お悩み研究室」。今回は「おせち」です。お祝い料理、作りたいけれど暮れは忙しくて、少し気が重い……そんな人でも気軽においしくできるレシピと工夫です。
暮らし 暮らしの引きだし 松場登美
ゆるやかな時の流れる石見銀山で、自然に寄り添った暮らしを楽しむ松場登美さん。そんな登美さんの「引きだし」には、懐かしくて新しい暮らしの種がつまっています。めぐる季節とともに、ごいっしょに種まきを。今日より明日が、ちょっぴり楽しくなりますように。
暮らし 幸せをつくる整理術 井田典子
口絵 本のある風景
目次
特集
あなたにとって
多様性って何ですか?
012 | わたしを生かすファッション ダイバーシティの街NY ワインスタイン今井絹江 |
020 | 共存・共生は接点づくりから 外国人が過半数の川口芝園団地 |
028 | 心のバリアもはずす家を 阿部建設 |
035 | ツルの村で今、起きていること 和田正宏(北海道) |
対談
040 | 「文化のちがい」を聴く、読む、味わう 梅津時比古/八巻和彦 |
099 | 新春詠 山西雅子/小島ゆかり/小島なお |
084 | 羽仁もと子著作集 「金の頭脳」「金の仕事」 |
086 | 今日のいのり 天を見上げて 米内宏明 |
128 | 未来の余白から ピッピの平和主義 最上敏樹 |
008 | わたしの・すきな・もの 釣り浮き 福岡伸一 |
124 |
視角 決断の人 緒方貞子さん 中満 泉 |
090 |
こころの深呼吸 本当のイエスを言う 海原純子 |
102 | 海原純子さん『こころの深呼吸』 出版記念講演会・抄録 |
始めよう! プラスチックフリー・ライフ
075 | 未来のために知っておきたい 海とプラスチックの話 原田禎夫 |
108 |
思春期の悩み相談 回答者・湯浅 誠 |
暮らし
050 | <新シリーズ>あなたの・みんなの悩み研究室 「おせち料理、少し負担です」 |
054 | <新連載>暮らしの引きだし 新年を迎える 松場登美 |
060 | 料理・お菓子 お祝いの食卓をロシア風に 荻野恭子 |
070 | <新連載>幸せをつくる整理術 「げた箱を開けると雪崩が起こります」 井田典子 |
072 | つくる手・えらぶ目 お手入れとDIYで家を元気に 小川奈緒 |
110 |
家計ルーム 子どもたちの自立と、親ができること ――教育費 |
118 |
健康往来 冬に起こりやすい心筋梗塞 三角和雄 |
読み物
134 | 小説 ひと箱のライフ 楊 逸 |
092 |
Book 読書の「質」 若松英輔 |
094 |
cinema ヴァルダという自由 松本侑壬子 |
口絵
006 | <新連載>本のある風景 蔵の図書館(千葉県) |
096 | 自由学園だより 高橋和也 |
116 | 家計簿をつけ通す同盟 交際費 |
142 | 生活歌集 選・小島ゆかり |
145 | 生活句集 選・山西雅子 |
148 | 生活歌集の新選者紹介 |
150 | 友の会ニュース 大阪/長野 |
152 | 十三浜わかめクラブ通信 |
154 | アフタヌーン・コンサート報告 |
156 | トークイベント f-tomoカフェ |
158 | f-tomoひろば |
161 | 2月号予告 |
162 | 編集室日記 |
2020年への希望と祈りをこめて、表紙も新しく新年号をお届けします。特集と対談は、「多様性」が頻繁に語られる中で、その何を大切に、何と向き合いたいのか、生活の中からご一緒に考えたいと企画しました。
「あるものを生かしきることが楽しくて」と、新連載「暮らしの引きだし」の松場登美さん。そんな復古創新の1年を紹介します。「幸せをつくる整理術」では井田典子さんが、片づけてきた約300軒の家から問題点と解決法を、隔月で連載。
国家ではなく人の命を守る「人間の安全保障」への道を拓いた緒方貞子さんはまた、家庭をもちながら働く女性の生き方をも切り拓いた方でした。その後に続き、国連事務次長の要職にありながら、追悼をお寄せ下さった中満泉さん(2019年3月号対談)に感謝いたします。
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お祝いの食卓をロシア風に 荻野恭子
年末年始の集いの席、今年はちょっと新鮮に、ロシア料理で祝いませんか?味つけもつくり方もシンプルでおおらか。ごはんにも合います。
いわしのマリネ/チーズボール/ビーツのサラダ/ペリメーニ(シベリア風水餃子)/ピローグ(ロシア風大型ミートパン)/レモンタルト
撮影:青山紀子
ペリメーニ(シベリア風餃子)の生地ののばし方 | ピローグ(大きなピロシキ)の飾りつけ |
登美さんの暮らしの引きだし
冬のレシピから 大根ステーキ/柚子巻き大根
写真:三浦編集室
あなたの・みんなの悩み研究室
くるみ入り田作り/黒豆/大根甘酢漬け/炒め五目煮〆
撮影:金井美智(くるみ入り田作り・黒豆)/原 務(大根甘酢漬け・炒め五目煮〆)